ウィスキーの「バッチ（Batch）」とは、特定の製造工程でまとめて生産されたウィスキーの単位を指します。蒸留所では、一度に大量のウィスキーを仕込むのではなく、一定の量ごとに製造・熟成し、それをボトリングする際に「バッチ」という区切りをつけます。
バッチごとに使用される原酒の組み合わせや熟成の条件が異なることがあるため、同じブランドや銘柄でも、バッチごとに風味が微妙に変わることがあります。これはウィスキーの魅力の一つであり、バッチごとの違いを楽しむ愛好家も多いです。
スモールバッチ・シングルバッチ・バッチ1・バッチ2の違い
スモールバッチ（Small Batch）
スモールバッチとは、少量の樽をブレンドしてボトリングされたウィスキーを指します。通常の大規模生産よりも限定された数の樽を使用するため、より個性的で希少性の高いウィスキーが生まれることが特徴です。例えば、アメリカンウィスキーでは、4〜50樽程度をブレンドしたものをスモールバッチと呼ぶことが一般的です。
シングルバッチ（Single Batch）
シングルバッチは、一つのバッチ内で作られたウィスキーのみを使用し、他のバッチと混ぜないウィスキーを指します。シングルモルトのように、一つの蒸留所で作られたウィスキーに多く見られ、同じ銘柄でもバッチごとに味わいの違いが明確に現れることが特徴です。
バッチ1・バッチ2の違い
ウィスキーのボトルに「バッチ1」や「バッチ2」と表記されている場合、それはそのウィスキーのリリース番号を指します。例えば、
- バッチ1：そのシリーズの最初のリリース。
- バッチ2：その後の生産分で、新しいバッチとしてリリースされたもの。
バッチ番号が異なることで、原料の違い、熟成期間、使用樽の種類などが異なる可能性があり、バッチごとに風味の違いを楽しむことができます。
バッチによる違い
バッチごとの違いは主に以下の要素に影響されます。
- 使用する樽の種類と組み合わせ（アメリカンオーク・シェリーカスクなど）
- 熟成期間のわずかな差
- ブレンドするウィスキーの比率
- 環境要因（温度・湿度）
例えば、同じ銘柄でもバッチ1はバーボン樽の影響が強い一方で、バッチ2はシェリー樽の影響が強く、フルーティーな甘みが増すこともあります。
バッチの見分け方
ウィスキーのバッチを見分ける方法として、以下のポイントがあります。
- ラベルのバッチ番号を確認（「Batch No.」や「Batch #」と記載）
- 公式情報をチェック（蒸留所のウェブサイトやリリース情報）
- ウィスキー愛好家のレビューを参考にする
特に限定生産のウィスキーでは、バッチごとの違いが明確になるため、愛好家の間で比較されることが多いです。
バッチを知るメリット
バッチについて理解することで、より深くウィスキーを楽しむことができます。
- バッチごとの違いを楽しめる：同じブランドでも異なる味わいを堪能できる。
- 限定バッチを見逃さない：希少なバッチを見極め、コレクションの価値を高められる。
- 自分好みのバッチを見つける：過去のバッチの特徴を知り、次回の購入に活かせる。
ウィスキーは一本一本が異なるストーリーを持っています。バッチを意識することで、より奥深い楽しみ方ができるでしょう。